KP WORDS

関電プラント語録

心を動かした
言葉たち。

仕事の現場で社員たちの心を動かした、印象的な言葉を集めました。
ここに紹介する言葉の一つひとつに、関電プラントのスピリットが息づいています。

意 識

仕事はお客さまに「させていただいている」、
協力会社に「やっていただいている」。
定検工事着手前ミーティングで、所属長から言われた言葉です。人はともすれば、真逆の「してやっている」「させてやっている」の意識を持ちがちですが、私は、お客さまには協力会社の気持ちになって折衝し、協力会社にはお客さまの気持ちになって対峙するよう努めました。当初は、どちらからも煙たがられるように思えますが、最終的にどちらからも信頼されるのは、このような仕事のやり方をする会社であり人物であると確信しています。
自分の仕事は自分だけでなく、
まわりの職人の生活も関わるのだ。
入社して間もないころ、余裕がなく工程調整がおろそかになってしまった際、協力会社の方から言われました。この仕事は、社会インフラだけでなく、自分と一緒に仕事をする職人さんの生活にも密接に関わるので、いい加減な気持ちで取り組んではいけないと痛感しました。それ以来、円滑に工事を完遂することで、工事に関わった人たち全員が満足して家に帰れる現場にする、と心がけるようになりました。
後工程はお客さま。
新入社員として配属され、右も左もわからないなかで仕事を一から教えてくださった当時の係長に、「これから仕事を進めていくうえで、一つ大切なものとして心がけておいてほしい」と教わった言葉です。そのときは「頭の片隅にでも置いておくか」くらいにしか思いませんでしたが、仕事を続けていくほどに言葉の意味が理解できるようになり、今では最も大切な言葉となりました。この言葉を簡単に説明すると、「同じ会社(集団)の中でも、後ろの作業者のことを「お客さま」だと思って対応しよう」という意味です。自分の仕事が直接的にお客様や社会の満足に繋がるとことは少ないかもしれませんが、後ろの作業者を常にお客さまと考えてリレーをしていけば、必ずすばらしい品質を最終のお客さまに届けられると思います。反対に、少しでも手を抜いてバトンを繋げれば、品質の低いものを提供することになってしまいます。所属によって仕事内容は異なりますが、最終的な目標はみんな一緒であるため、どんな小さなことでも次を考えて、「後工程はお客さま」の行動を心がけるようになりました。
あなたたちの仕事でミスが発生したら、
人が死ぬんですよ!
新入社員教育で講師の方から言われた言葉です。現場監督とは、作業スケジュールや品質の管理だけでなく、「作業員の方の命を預かる仕事」だと認識させられました。現場業務に携わる機会は少ないものの、一人で完結する仕事はないので、常に「相手がいること」を忘れずに取り組む姿勢を意識しています。

行 動

一歩踏み出せ!
そうすれば新しい景色が見えてくる!
将来ビジョンを作成するなかで、本部長のモットーとして耳にした言葉です。電力業界が激変するなかで、新規事業や新規分野へチャレンジすることが必要だと思い、新規事業への進出計画に対して、これまでよりさらに加速して取り組むようになりました。
交通ルールも守れない者が原子力発電所で務まるか!
入社直後の試雇期間中に、スピード違反で警察のお世話になり、交通違反免停者の講習会出席のため夏期休暇の初日を申請したところ、上司から「原子力発電所は、そこで働くすべての人がルールを守るからこそ、地元からも信頼され運転ができている。交通ルールも守れない者が、原子力発電所の細かいルールまで守れるか!」と諭されました。以降、安全に対して献身と責任感を持って行動しなければならないと自分を戒め、ルールを遵守することで社会貢献ができていると自負しています。またそれ以来、交通ルールについても守るように心がけ、現在まで30数年間、無事故無違反で警察のお世話にはなっていません。
役職で人を動かすのではなく、
人柄で人を動かせる人間になれ。
入社1年目のころに上司から言われた言葉です。その当時は漠然と聞いていましたが、歳を重ねていくうちにその意味や重要性がわかってきました。仕事上はもちろんのこと、プライベートでもこの言葉を思い浮かべながら行動するようにしています。
それは君の後ろに会社があるからであって、
君に対してではない。
入社後の集合研修を終えて配属された際、業務教育時に「外注先の年上の方々から君は丁重に対応されるだろうが、それは君の後ろに会社があるからであって、君に対してではない。誤解しないように留意し、人生の先輩であるその年上の方々から、いろいろ教えてもらいなさい」と教わりました。もう何十年も経ちますが、ずっと記憶から消えることがありません。今振り返ると、人生の先輩方から良いことをたくさん教わったと思います。

風 土

よく出てきてくれた。
前日に仕事でミスをしてしまい、その対応に頭を悩ませながら不安な気持ちで出勤したとき、先輩からかけられた言葉です。「ミスを責めるのではなく、出勤してきたことをほめるの!?」と驚きました。でも、それで不安な気持ちが前向きに変わりました。それからは自分も、まわりのミスを非難せず、フォローするように意識しています。
そうか! そういうこともあるよ! 気にするな!
特注の大型製品を発注していたメーカから、工場製作の過程で製品を損傷させてしまったと連絡があり、納期に間に合わない可能性が出てきたときのことです。普段たいへん厳しい上司に、雷を落とされるのを覚悟で報告に行くと、非常に優しい顔で「そうか! 気にするな!」と逆に気遣って労いの言葉までかけてもらいました。日々苦労して調整していることを上司は見てくれていたのかな、と感激しました。
見ている人はちゃんと見ている。
入社して5年目のころ、仕事のことで悩んでいた際に当時の上司から「見ている人はちゃんと見ている。私もその一人。その努力は必ずどこかで報われるよ!」と声をかけていただきました。この言葉を聞いたとき、「まだ長いサラリーマン人生の中の10分の1ほどしか経っていないのに悩んでいる場合じゃない。自分なりに努力を続けて少しずつ結果を積み重ねていこう」と思いました。それからは、直近の結果や成果ばかりを気にせず、まずは自分なりに目の前のことを精一杯やってみて、「それが結果としてどうなるかはわからないけれど、誰かが見てくれている、どこかで報われる」と信じながら仕事に励むようになりました。
仕事をしていない人間はミスをしない。
仕事で大失敗をしてしまったとき、当時の上司から「仕事をしていない人間はミスをしない。ミスを繰り返さないことが大事なんだ」と言われ、落ち込んでいた状況のなかで救われた思いでした。以来、ミスを発生させないことも大事ですが、発生させたときの対処を大切にしながら取り組んでいます。
上への対応はわしがやる。
お前は自分がやるべきことをやれ。
リーダーだった当時、技術部門の合意を得ないと前に進められない案件があり、何度もやりとりしていたのですが、技術部門の責任者の了解が得られず、スケジュール的に上司に報告して相談せざるを得ない状況となりました。私の相談を聞いた上司は、「上への対応はわしがやる。お前はリーダーとしてやるべきことをやれ」と言ってくれました。私を批判するようなことは一切言わず、上(責任者)への対応を引き受けてくれた上司を、非常に頼もしい存在に感じました。
子供たちのために、家庭を大事に!
退職を考えていた部下の家庭を、上司と一緒に訪問した際、その上司が部下に対して言った言葉です。部下のことを思い、当人には自身の身内のように目頭を熱くしながら叱り、諭し、思いやる姿勢に感動を覚えました。自分も、仕事以外でも仲間のことを思いやることのできる、人情味のある心温かい人に今以上になりたいと思いました。

真 理

機械は絶対にうそをつかない。
入社当時、発電所の定期点検工事で初めて担当を持たせてもらい、現場で先輩にいろいろなことを教わりながら作業しているときに言われました。最初聞いたときはまったく意味がわかりませんでしたが、後々、自分で汗をかいて仕事を覚えてからようやく実感できました。以来、「これくらいやったからよいだろう」ではなく、自分がきちんと納得するまで作業を行い、「あいつが見たから大丈夫だ」と周囲から思ってもらえるように取り組んでいます。
手を抜いたら、手がかかる!
当時の社長が講演のなかで、「工事でも何でもそうですが、手抜きをすれば後からの修理に何倍もの手がかかると思います。手を抜かないことです。心をこめて仕事をしたいものです!」と言われたのが印象的でした。手を抜きそうになった時は、この言葉を思い出し、声に出して行動するように心がけています。
後ろ向きの仕事をやることで、
正しく前に向かって進んで行ける。
現場で労災が発生し、日々その顛末書作りに時間を割かれていたとき、当時の上司に「こんな後ろ向きの仕事ばかりだと、モチベーションが下がりますよね」と愚痴ったところ、「後ろ向きの仕事をやることで、正しく前に向かって進んで行ける」と諭されました。それからは、失敗したことは放置せず、原因究明・対策を取ったうえで次のステップに向かうように心がけています。
燕雀安んぞ鴻鵠の志をしらんや。
これは、中国の「史記」にある言葉で、「ツバメやスズメのような小さな鳥には、オオトリやコウノトリのような大きな鳥の志すところは理解できない」という意味です。30年以上前に、その時の上司から、仕事でくよくよ悩んでいたときに言われました。意味を知って、「なにっ、くそ!」とカチンときたことを覚えています。しかしそれ以来、物事を俯瞰的かつ大局的に見ることを意識するようになりました。